iDeCoとNISAは同時に使える制度です。月々の掛金をどう配分するかで、20年後の資産額は大きく変わります。この記事では「iDeCo NISA 併用 シミュレーション 月いくら」という疑問に、具体的な試算表でお答えします。
※本記事のシミュレーション数値はあくまで試算です。投資には元本割れリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。
iDeCoとNISAを同時に使える仕組み
非課税のしくみと2026年時点の限度額
NISAとiDeCoはどちらも「運用益が非課税になる」制度ですが、課税のタイミングと使い勝手が異なります。
| 項目 | NISA(2026年時点) | iDeCo(2026年時点) |
|---|---|---|
| 年間投資上限 | つみたて枠120万円+成長投資枠240万円=計360万円 | 職種によって異なる(下表参照) |
| 生涯非課税枠 | 1,800万円(成長投資枠は1,200万円まで) | 上限なし(掛金は所得控除対象) |
| 運用益課税 | 非課税 | 非課税 |
| 掛金の税優遇 | なし(課税後の所得から拠出) | 全額所得控除(掛金自体の節税効果あり) |
| 引き出し | いつでも可 | 原則60歳まで不可 |
会社員・自営業者ごとのiDeCo上限(2026年12月改正後)
2026年12月の制度改正(施行は2027年1月引落分から)で、会社員のiDeCo掛金上限が大幅に引き上げられます。
| 区分 | 現行(〜2026年11月) | 改正後(2026年12月〜) |
|---|---|---|
| 自営業者・フリーランス(第1号被保険者) | 月額68,000円 | 月額75,000円 |
| 会社員・公務員(第2号被保険者) | 月額20,000〜23,000円※ | 月額62,000円※ |
| 専業主婦(主夫)(第3号被保険者) | 月額23,000円 | 月額23,000円(変更なし) |
※第2号被保険者の現行額は企業年金の有無により異なります。改正後の月額62,000円は他制度掛金との合算が前提です。出典:楽天証券 2026年12月制度改正ページ / 厚生労働省 確定給付企業年金制度の改正
iDeCoとNISAの詳しい違いについては、「iDeCoとNISA どっちを先に始めるべき?」もあわせてご覧ください。
掛金配分別20年シミュレーション(独自試算)
前提条件(2026年6月時点)
- 試算期間:20年間(月々一定額を積み立て)
- 想定利回り:年利3%・年利5%の2パターン
- 計算式:複利での将来価値(FV)を使用
- 税優遇効果:掛金の所得控除・受取時課税は含まず(シンプル化のため)
- 制度:2026年時点の上限額を基準
- 元本割れリスクあり:市場環境によって利回りはマイナスになる場合があります
注意:以下の試算はあくまで一定の利回りが続いた場合の参考値です。実際の運用成績を保証するものではありません。
パターン別20年後の試算額
| パターン | iDeCo月額 | NISA月額 | 合計月額 | 20年元本 | 年利3%(20年後) | 年利5%(20年後) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| A:少額スタート | 1万円 | 2万円 | 3万円 | 720万円 | 約985万円 | 約1,234万円 |
| B:iDeCo優先 | 2万円 | 3万円 | 5万円 | 1,200万円 | 約1,642万円 | 約2,056万円 |
| C:NISA優先 | 1万円 | 5万円 | 6万円 | 1,440万円 | 約1,970万円 | 約2,467万円 |
| D:バランス型(改正前上限) | 2.3万円 | 3万円 | 5.3万円 | 1,272万円 | 約1,740万円 | 約2,179万円 |
| E:2026年改正後フル活用 | 6.2万円 | 10万円 | 16.2万円 | 3,888万円 | 約5,318万円 | 約6,659万円 |
計算式:将来価値=月額×{(1+r/12)^(n×12)−1}÷(r/12)(rは年利、nは年数。2026年6月独自計算)
元本割れリスクと注意点
上記の試算はあくまで一定の利回りが続いた場合の参考値です。実際の投資信託は市場の動きに連動するため、運用成績がマイナスになる可能性があります(元本割れリスク)。特に以下の点にご注意ください。
- 株式市場の暴落局面では資産が元本を大きく下回ることがある
- iDeCoは60歳まで引き出せないため、急な出費に対応できない
- NISAは非課税枠を使い切っても追加投資可能だが、iDeCoは上限固定
- シミュレーション数値:金融庁・各証券会社の公表値をもとに独自計算(2026年6月時点)
2026年のiDeCo改正の詳細は「iDeCo 2026年改正まとめ|掛金上限引き上げと変更点を解説」で詳しく解説しています。
iDeCoとNISAの使い分けチェックリスト
どちらをどれだけ使うかに迷ったら、以下のチェックリストで判断しましょう。
| チェック項目 | YESなら→ | NOなら→ |
|---|---|---|
| 60歳以降まで絶対に使わない資金か? | iDeCoに回す | NISAを優先 |
| 所得税・住民税の節税効果を重視するか? | iDeCoを増やす | NISAで十分 |
| 急な出費に備えた流動性が必要か? | NISAを優先 | iDeCoも活用 |
| 会社員で企業型DCがあるか? | 上限が変わる(HR・総務に確認) | 上限をフルに使える |
| 年収が500万円超で税率が高いか? | iDeCoの節税効果が大きい | NISAでも十分効果的 |
| まず少額から試したいか? | NISAのつみたて枠から始める | 両方同時スタートも可 |
投資初心者の方向けのロードマップは「投資初心者は何から始める?2026年版・少額からのロードマップ」をご覧ください。
どちらを先に埋めるべき?優先順位の考え方
「iDeCoとNISA、どちらを先に満額にすべきか」は、個人の状況によって異なります。慎重な初心者にとっては以下の順序が参考になります。
- 緊急予備資金を確保(生活費3〜6か月分):まずここが最優先
- NISAのつみたて投資枠(月10万円まで):いつでも引き出せる柔軟性が安心
- iDeCoで節税メリットを享受:所得控除で毎年の税負担を軽減
- 余裕があればNISAの成長投資枠も活用:年240万円まで
ただし、会社員の方は企業型DC(確定拠出年金)の有無によってiDeCoの上限が変わります。勤務先の人事・総務部門に確認してから設定してください。出典:国税庁「iDeCoの所得控除」
実際の設定手順(SBI証券・楽天証券)
SBI証券でiDeCoを始める場合
- SBI証券のiDeCo口座開設ページから申込書を請求
- 勤務先に「事業主証明書」の記入を依頼(会社員の場合)
- 必要書類を郵送→審査・口座開設(約2〜3か月)
- 掛金額・運用商品を設定(毎月変更可能)
- NISAは証券口座から別途「つみたて設定」を行う
楽天証券でiDeCoを始める場合
- 楽天証券のiDeCo申込ページから手続き開始
- 楽天銀行口座との連携設定(ハッピープログラムで有利)
- 運用商品はeMAXIS Slim全世界株式などインデックスファンドが人気
- NISAは楽天証券の「かんたん積立」アプリから設定可能
SBI証券・楽天証券ともにSBI証券公式サイト・楽天証券公式サイトから最新の手順を確認してください(本記事での手順は参考情報です)。
会社員のNISA活用全般については「会社員がNISAを始める方法 完全ガイド」もご参照ください。
よくある失敗・落とし穴
- iDeCoの出口制限を見落とす:60歳まで引き出せないことを忘れ、住宅購入・教育費などで困るケースがある。流動性が必要な資金はNISAで運用するのが基本
- 受取時の課税を計算に入れない:iDeCoの受取は「退職所得控除」または「公的年金等控除」の対象だが、他の退職金と合算すると課税負担が増える場合がある
- 掛金変更の回数制限を忘れる:iDeCoの掛金は年1回しか変更できないため(2024年改正以降)、無理のない金額を設定することが重要
- 企業型DCとの二重加入に注意:企業型DCがある会社員がiDeCoも使う場合、掛金の合算上限に注意が必要。勤務先への確認必須
- NISAの枠を使い切らないまま放置:NISAは年間360万円まで使えるが、使わなかった年間枠を翌年に繰り越せない(1,800万円の生涯枠は別)
まとめ
iDeCoとNISAは同時に使えます。月々の配分をどうするかが最大のポイントです。
- 流動性重視・初心者 → NISAのつみたて投資枠を先に活用
- 節税効果を最大化したい → iDeCoも並行して活用
- 2026年12月の改正後 → 会社員のiDeCo上限が月6.2万円に拡大(確認してから設定を)
シミュレーション数値はあくまで試算です。年利3%・5%が保証されるわけではなく、元本割れの可能性もあります。制度の詳細は金融庁NISA特設ウェブサイトおよびiDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)でご確認ください。
免責事項:本記事は情報提供を目的としており、投資の勧誘や特定の金融商品の推奨を行うものではありません。投資には元本割れリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。監修者は置いておらず、内容は公開情報をもとにした独自解説です(2026年6月時点の情報)。

