「NISAのつみたて投資枠と成長投資枠って何が違うの?」「どっちを使えばいいの?」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。新NISAではつみたて投資枠と成長投資枠の2種類が用意されており、それぞれ年間投資上限額や対象商品が異なります。この記事では、2026年最新の制度内容をもとに、2つの投資枠の違い・使い分け方・おすすめの活用戦略をわかりやすく解説します。
新NISAの基本構造|つみたて投資枠と成長投資枠の全体像
2024年1月にスタートした新NISAは、旧制度の「一般NISA」と「つみたてNISA」を一本化した制度です。新NISAではつみたて投資枠と成長投資枠の2つを同時に利用できるようになりました。
新NISAの非課税投資枠まとめ
新NISAの全体像を表で確認しましょう。
| 項目 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
|---|---|---|
| 年間投資上限額 | 120万円 | 240万円 |
| 非課税保有限度額 | 1,800万円(成長投資枠と合算) | 1,200万円(内数) |
| 非課税保有期間 | 無期限 | 無期限 |
| 対象商品 | 金融庁が認めた投資信託・ETF | 上場株式・投資信託・ETF・REIT |
| 購入方法 | 積立買付のみ | 一括買付・積立買付 |
| 対象年齢 | 18歳以上 | 18歳以上 |
年間の投資上限額は、つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円=合計360万円です。非課税保有限度額は生涯で最大1,800万円となっています。
旧NISAとの主な変更点
旧制度では「一般NISA」か「つみたてNISA」のどちらか一方しか選べませんでしたが、新NISAでは両方の枠を併用できます。また、非課税保有期間が無期限になったことで、長期投資がより有利になりました。売却した場合は翌年以降に非課税枠が復活する「枠の再利用」も大きな改善点です。
つみたて投資枠の特徴と対象商品
つみたて投資枠は、長期・積立・分散投資に適した商品を対象とした投資枠です。投資初心者が安心して資産形成を始められるよう、金融庁が厳しい基準で商品を選定しています。
つみたて投資枠の対象商品の条件
つみたて投資枠で購入できる商品は、金融庁が定めた以下の条件を満たすものに限られます。
- 信託期間が20年以上(または無期限)であること
- 毎月分配型でないこと
- 高レバレッジ型でないこと
- 運用管理費用(信託報酬)が一定水準以下であること
- 販売手数料がゼロ(ノーロード)であること
2026年3月時点で、つみたて投資枠の対象商品は約347本です。内訳はインデックス型投資信託が279本、アクティブ型投資信託が59本、ETFが9本となっています。
つみたて投資枠の代表的な人気ファンド
つみたて投資枠で特に人気の高いファンドを紹介します。
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー):信託報酬 年0.05775%。世界約50カ国の株式に分散投資できる
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500):信託報酬 年0.09372%。米国の主要500社に投資
- 楽天・全世界株式インデックス・ファンド:信託報酬 年0.192%。楽天VTとも呼ばれる全世界分散型
- SBI・V・S&P500インデックス・ファンド:信託報酬 年0.0938%。低コストで米国株に投資
特にeMAXIS Slimシリーズは業界最低水準の信託報酬を維持しており、長期投資のコスト面で大きなメリットがあります。
成長投資枠の特徴と対象商品
成長投資枠は、つみたて投資枠よりも幅広い商品に投資できる枠です。個別株式やREITにも投資でき、一括購入も可能なため、投資経験者にとって自由度の高い枠となっています。
成長投資枠で投資できる商品
成長投資枠では以下の幅広い商品に投資可能です。
- 上場株式(個別株):日本株・米国株などの個別銘柄
- 投資信託:つみたて投資枠対象ファンドも含む幅広いファンド
- ETF(上場投資信託):高配当ETF、セクターETFなど
- REIT(不動産投資信託):J-REITや海外REIT
ただし、以下の商品は成長投資枠でも対象外です。
- 整理銘柄・監理銘柄
- 信託期間が20年未満の投資信託
- 毎月分配型の投資信託
- 高レバレッジ型の投資信託
成長投資枠ならではの活用メリット
成長投資枠には、つみたて投資枠にはない以下のメリットがあります。
- 一括投資が可能:まとまった資金を一度に投資できる(ボーナス時の活用など)
- 個別株に投資可能:成長が期待できる企業に直接投資できる
- 高配当株・REITで配当収入:非課税で配当金・分配金を受け取れる
- IPO(新規公開株)にも対応:証券会社によってはNISA口座でIPO投資が可能
つみたて投資枠と成長投資枠の5つの違い
ここでは、2つの投資枠の主要な違いを5つのポイントに絞って詳しく比較します。
違い1:年間投資上限額
つみたて投資枠は年間120万円、成長投資枠は年間240万円が上限です。両方を合わせると年間最大360万円まで非課税で投資できます。月額に換算すると、つみたて投資枠は月10万円、成長投資枠は月20万円が目安です。
違い2:非課税保有限度額
生涯の非課税保有限度額は全体で1,800万円です。このうち成長投資枠で利用できるのは最大1,200万円まで。一方、つみたて投資枠だけで1,800万円を使い切ることも可能です。
| パターン | つみたて投資枠 | 成長投資枠 | 合計 |
|---|---|---|---|
| つみたて枠のみ | 1,800万円 | 0円 | 1,800万円 |
| 両枠を均等に使う | 600万円 | 1,200万円 | 1,800万円 |
| 成長枠を最大活用 | 600万円 | 1,200万円 | 1,800万円 |
違い3:対象商品の範囲
つみたて投資枠は金融庁が厳選した約347本の投資信託・ETFのみが対象です。成長投資枠は上場株式・投資信託・ETF・REITと対象が広く、つみたて投資枠の対象商品も購入可能です。つまり、成長投資枠はつみたて投資枠の上位互換(商品選択の幅という意味で)と言えます。
タイプ別おすすめの使い分け戦略
投資経験や目的に応じた、つみたて投資枠と成長投資枠の使い分け方を紹介します。
投資初心者:つみたて投資枠を最優先
投資を始めたばかりの方は、まずつみたて投資枠で月1万〜3万円からスタートするのがおすすめです。
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を毎月積立
- 慣れてきたら月5万〜10万円に増額
- 成長投資枠はつみたて投資枠を使い切ってから検討
つみたて投資枠の対象商品は金融庁の基準をクリアした低コストファンドに限定されるため、商品選びで大きな失敗をするリスクが低く、初心者に適しています。
中級者:両枠を組み合わせて資産形成を加速
投資経験がある方は、両枠を戦略的に使い分けましょう。
- つみたて投資枠:コア資産としてインデックスファンドを毎月10万円積立
- 成長投資枠:サテライト戦略として高配当株やテーマETFに投資
- コア(つみたて枠)70〜80%、サテライト(成長枠)20〜30%が目安
上級者:成長投資枠で高配当・個別株投資
投資経験が豊富な方は、成長投資枠を積極的に活用できます。
- 高配当株で年間配当を非課税で受け取る(配当利回り3〜5%の銘柄選定)
- 米国株(個別銘柄やETF)への投資で為替差益も非課税に
- 成長性の高いセクターETFで中長期のキャピタルゲインを狙う
2026年の制度改正ポイント
2026年度の税制改正大綱では、NISAに関していくつかの重要な変更が発表されています。
未成年者向けつみたて投資枠の新設
2026年の改正で注目されるのが、0歳〜17歳を対象としたつみたて投資枠の新設です。
- 年間投資上限額:60万円
- 非課税保有限度額:600万円
- 対象商品:大人のつみたて投資枠と同様
これにより、子どもの将来に向けた資産形成を早期から始められるようになります。旧ジュニアNISA(2023年末で新規口座開設終了)に代わる制度として注目されています。
つみたて投資枠の対象商品の拡大
2026年度の改正では、つみたて投資枠の対象商品も拡大されます。
- 債券を含む投資信託が新たに対象に追加(改正前は株式が50%超の投資信託のみ)
- 新しい株式指数(読売株価指数、JPXプライム150など)に連動する商品も対象に
バランス型ファンドの選択肢が広がることで、リスクを抑えた運用がしやすくなります。
まとめ|まずはつみたて投資枠から始めよう
NISAのつみたて投資枠と成長投資枠の違いをまとめると、以下のようになります。
- つみたて投資枠:年間120万円、金融庁厳選の投資信託・ETFが対象、積立買付のみ
- 成長投資枠:年間240万円、個別株・REIT含む幅広い商品が対象、一括買付も可能
- 非課税保有限度額:合計1,800万円(うち成長投資枠は最大1,200万円)
- 2026年改正:未成年向けつみたて投資枠の新設、対象商品の拡大
投資初心者の方は、まずつみたて投資枠でeMAXIS Slim 全世界株式などの低コストインデックスファンドを月1万円から積立するのがおすすめです。慣れてきたら成長投資枠も活用して、非課税メリットを最大限に生かしましょう。
NISAは2024年の制度刷新以来、非課税期間が無期限になり、枠の再利用も可能になりました。長期で資産を育てるには最適な制度ですので、まだ始めていない方はぜひSBI証券や楽天証券で口座開設を検討してみてください。

