「楽天証券でつみたてNISAの銘柄を変更したいけれど、やり方がわからない」「途中で別のファンドに乗り換えたら、これまでの積立はどうなるの?」と不安に感じていませんか。結論から言うと、楽天証券では既存の積立設定を解除し、新しい銘柄で積立設定を組み直すという2ステップで銘柄を変更できます。ただし、手順を間違えると「変更したつもりが古い銘柄も買い続けていた」「申込締切を過ぎて翌月に間に合わなかった」といった失敗が起こりがちです。この記事では、スマホ・PCそれぞれの画面に沿った具体的な操作手順と、慎重派の投資初心者が押さえておくべき注意点を、独自のコスト試算とあわせて丁寧に解説します。
なお、本記事の制度・数値は2026年6月時点の情報をもとにしています。投資には元本割れのリスクがあり、最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。
楽天証券でつみたてNISAの銘柄変更を始める前に知っておくこと
具体的な操作手順に入る前に、まず「銘柄変更とは何をすることなのか」を正しく理解しておきましょう。ここを誤解したまま操作すると、後述する失敗につながります。
「銘柄変更」=「積立設定の解除」+「新規積立設定」
意外に思われるかもしれませんが、楽天証券のつみたてNISA(NISAのつみたて投資枠)には、保有中のA投信をそのままB投信に入れ替える「スイッチング」機能はありません。銘柄を変えたい場合は、次の2つの操作を行います。
- ステップ1:これまで積み立てていた銘柄の「積立設定」を解除する(=今後その銘柄を自動買付しないようにする)
- ステップ2:新しく積み立てたい銘柄で、改めて積立設定を行う
つまり「変更」というより「古い設定を止めて、新しい設定を作り直す」というイメージです。この2ステップを意識しておくと、操作中に迷いにくくなります。
解除しても、これまで積み立てた分は売られない
初心者がもっとも心配するのが「積立設定を解除したら、今まで積み立てた資産がなくなってしまうのでは?」という点です。これは誤解で、積立設定の解除は「今後の自動買付を止める」だけであり、すでに保有している投資信託が自動的に売却されることはありません(楽天証券の積立設定の解除 操作ガイドでも明記されています)。保有資産はそのまま運用が続きます。売却したい場合は、別途「売却注文」を出す必要があります。
「積立金額の変更だけ」なら解除は不要
同じ銘柄のまま毎月の積立額だけを変えたい場合は、解除する必要はありません。積立設定の「訂正(変更)」から金額だけを修正できます。「銘柄そのものを変えるのか」「金額だけ変えるのか」で操作が分かれる点を、最初に整理しておきましょう。
| やりたいこと | 必要な操作 |
|---|---|
| 積立額だけ変えたい(銘柄は同じ) | 積立設定の「訂正・変更」 |
| 別の銘柄に乗り換えたい | 旧銘柄の「解除」+新銘柄の「新規設定」 |
| 積立を完全にやめたい | 積立設定の「解除」のみ |
【スマホ版】楽天証券サイトでのつみたてNISA銘柄変更のやり方
ここからは「楽天証券 つみたてNISA 銘柄変更 やり方」を、スマホブラウザの画面に沿って解説します。アプリ「iSPEED」は主に株式向けのため、投資信託の積立設定はスマホ用Webサイト(ログイン後の投資信託メニュー)から操作するのが確実です。
ステップ1:旧銘柄の積立設定を解除する
- 楽天証券のスマホサイトにログインします。
- メニューから「投資信託」→「積立設定一覧」を開きます。
- 現在積み立てている銘柄の一覧が表示されるので、変更(停止)したい銘柄を選びます。
- 「解除」を選択し、内容を確認して取引暗証番号を入力、解除を確定します。
解除が完了すると、その銘柄の翌月以降の自動買付が止まります。前述のとおり、保有分はそのまま残ります。
ステップ2:新しい銘柄で積立設定を作る
- 「投資信託」→「ファンドを探す」から、新しく積み立てたい銘柄を検索します。
- ファンド詳細ページで「積立注文」を選びます。
- 口座区分で「NISA つみたて投資枠」を選択します(ここを「特定口座」のままにすると非課税にならないため要注意)。
- 引落方法(楽天キャッシュ・楽天カードクレジット決済・証券口座など)、積立金額、積立指定日を設定します。
- 目論見書を確認し、取引暗証番号を入力して設定を確定します。
変更が反映されるタイミングに注意
引落方法によって申込締切日が異なります。楽天カードクレジット決済・楽天キャッシュ(電子マネー)決済の場合は、毎月12日が翌月買付分の締切です(楽天証券の積立設定の変更 操作ガイドを参照)。たとえば6月13日に新銘柄の設定をしても、最短の買付は7月分ではなく8月分になる可能性があります。「今月中に切り替えたい」と思ったら、締切日を必ず確認しましょう。
【PC版】パソコンからのつみたてNISA銘柄変更の手順
PCの大きな画面のほうが設定内容を確認しやすいため、慎重に進めたい方にはPC操作もおすすめです。基本的な流れはスマホと同じ「解除→新規設定」の2ステップです。
積立設定一覧から解除する
- 楽天証券のPCサイトにログインし、上部メニュー「投資信託」→「積立設定」へ進みます。
- 「積立設定の照会・訂正・解除」から現在の設定一覧を開きます。
- 対象銘柄の「解除」ボタンを押し、確認画面で取引暗証番号を入力して確定します。
新規積立設定で新銘柄を登録する
- 「投資信託」→「投信スーパーサーチ」などから新しい銘柄を検索します。
- 「積立注文」を選び、口座区分で「NISA つみたて投資枠」を選択します。
- 金額・引落方法・積立日を設定し、目論見書を確認のうえ確定します。
設定後は「積立設定一覧」で必ず最終確認
設定が終わったら、もう一度「積立設定一覧」を開き、「旧銘柄が解除されているか」「新銘柄が正しくNISAつみたて投資枠で登録されているか」を目視で確認してください。ここを怠ると、後述する「二重買付」の失敗につながります。
つみたてNISAの銘柄変更でやりがちな失敗・落とし穴5つ
ここでは、慎重派の方こそ避けたい「銘柄変更でよくある失敗」を5つ挙げます。いずれも、知っていれば防げるものばかりです。
失敗1:解除を忘れて2銘柄を同時に買い続ける
もっとも多いのが、新銘柄の設定だけ行い、旧銘柄の解除を忘れるケースです。これだと旧銘柄も新銘柄も両方買付され、想定より多くの金額がNISA枠を消費してしまいます。年間120万円のつみたて投資枠を計画的に使うためにも、解除→新規設定の順番を守りましょう。
失敗2:口座区分を「特定口座」にしてしまう
新規設定時に口座区分の選択を見落とすと、せっかくの積立が「NISAつみたて投資枠」ではなく「特定口座」で買い付けられ、運用益に対して約20%(所得税15%・住民税5%、加えて2037年までは復興特別所得税)が課税対象になってしまいます。口座区分の表示は必ず確認しましょう。
失敗3:締切日を過ぎて切り替えが翌々月になる
前述のとおり、楽天カード・楽天キャッシュ決済は毎月12日が締切です。月末に慌てて設定すると、思ったタイミングで切り替わりません。余裕をもって、変更したい月の前月12日までに手続きするのが安全です。
失敗4:「枠が復活する」と勘違いして安易に売却する
「銘柄を変えるなら、旧銘柄を売って枠を空けよう」と考える方がいますが、これは慎重に。NISAは簿価残高方式で管理されており、売却した分の非課税枠が復活するのは「翌年以降」、しかも復活するのは売却時の時価ではなく取得価格(簿価)分です(金融庁NISA特設ウェブサイト参照)。銘柄変更のためにわざわざ売る必要はなく、保有はそのままにして「今後の積立先だけ変える」のが基本です。
失敗5:短期間で銘柄をコロコロ変える
市場が下がるたびに銘柄を変えたくなる気持ちはわかりますが、つみたて投資は長期・分散・積立が基本です。頻繁な変更は、値動きに一喜一憂して高値づかみ・安値売りを招きやすくなります。変更は「投資方針が明確に変わったとき」に絞るのが、慎重派にとって安心な進め方です。
【独自試算】銘柄の乗り換えコストは20年でどれくらい差が出るか
銘柄変更を検討する方の多くは「信託報酬(運用コスト)の低いファンドに乗り換えたい」という動機を持っています。ここでは、慎重派の判断材料として、コスト差がどれくらい差を生むのかを独自に試算してみます。
試算の前提条件
- 毎月の積立額:3万円(年36万円)
- 積立期間:20年
- 想定利回り:年3%(手数料控除前の保守的な前提。リターンを保証するものではありません)
- 比較するコスト差:信託報酬 年0.20%(旧ファンド)と年0.10%(新ファンド)の差0.10%
コスト差0.10%が20年で生む差
毎月3万円を年率3%で20年積み立てた場合の元利合計はおよそ984万円です(積立元本720万円+運用益約264万円)。ここに信託報酬の差0.10%が運用期間を通じてかかると仮定すると、最終的な差はおおむね10万円前後と試算されます。20年で10万円と聞くと「大きい」と感じる方もいれば「思ったより小さい」と感じる方もいるでしょう。
| 項目 | 金額の目安 |
|---|---|
| 積立元本(3万円×240か月) | 720万円 |
| 年3%運用時の20年後評価額(概算) | 約984万円 |
| 信託報酬差0.10%による20年の差(概算) | 約10万円前後 |
※上記は一定利回りを前提とした単純計算による概算であり、実際のリターンや手数料負担は市場環境やファンドにより変動します。元本割れの可能性もあります。
試算からわかる「あわてて乗り換えない」判断
この試算から見えるのは、「コスト差が0.1%程度なら、急いで乗り換えなくても影響は限定的」という現実的な姿です。むしろ重要なのは、銘柄を変えること自体ではなく「自分の投資方針(全世界か、米国中心か、債券を混ぜるか)に合っているか」です。コストはあくまで判断材料の一つにすぎません。乗り換えを焦るより、まずは保有銘柄が自分の方針に合っているかを見直すことをおすすめします。なお、ご自身の状況に合った方針づくりに迷う場合は、ファイナンシャルプランナーへの無料相談のような第三者の専門家に意見を聞くのも一つの方法です。
つみたてNISAの銘柄変更後に確認しておきたいこと
無事に銘柄変更が完了したら、慎重派として最後に押さえておきたいチェックポイントを確認しておきましょう。
NISA枠の使用状況を確認する
銘柄変更で積立額を増やした場合などは、年間120万円のつみたて投資枠を超えないか確認しましょう。楽天証券のNISA管理画面で、当年の枠の使用状況・残枠が確認できます。枠を超えた分は自動的に特定口座などで買い付けられる設定になっている場合があるため、意図しない課税口座での買付を防ぐ意味でも確認は大切です。NISAの枠の考え方や年間の積立額の決め方については、NISAは月いくら積み立てるべきか年収別の目安もあわせて参考にしてください。
旧銘柄をどうするか方針を決める
解除した旧銘柄は、売らずに「保有を続ける」のが基本です。長期投資では時間を味方につけることが重要なので、明確な理由がない限り、慌てて売却しないことをおすすめします。どうしても整理したい場合のみ、売却による枠復活が翌年・簿価分であることを理解したうえで判断しましょう。売り時の考え方についてはNISAの出口戦略・いつ売るべきかで詳しく解説しています。
変更履歴を自分でも記録しておく
「いつ・どの銘柄から・どの銘柄に変えたか」を家計簿アプリやメモに残しておくと、後から運用方針を振り返るときに役立ちます。投資の意思決定を記録する習慣は、感情的な売買を防ぐうえでも有効です。銘柄選びそのものに迷う場合は、オルカンとS&P500どっちがいいか比較も判断の助けになります。
まとめ:楽天証券のつみたてNISA銘柄変更は「解除→新規設定」の2ステップ
楽天証券でつみたてNISAの銘柄を変更する手順を、改めて整理します。
- 銘柄変更=「旧銘柄の積立設定の解除」+「新銘柄の新規積立設定」の2ステップ
- 解除しても保有資産は売られない。売却は別操作
- 新規設定時は口座区分「NISA つみたて投資枠」を必ず選ぶ
- 楽天カード・楽天キャッシュ決済は毎月12日が締切。タイミングに注意
- 枠復活は翌年・簿価分。銘柄変更のために焦って売る必要はない
- コスト差0.1%程度なら影響は限定的。方針との整合性を優先する
つみたて投資の成果は、銘柄を頻繁に変えることではなく、長期・分散・積立を淡々と続けることで生まれます。銘柄変更はあくまで「投資方針が変わったとき」の手段と捉え、慎重に判断していきましょう。
※本記事は2026年6月時点の情報に基づく一般的な解説であり、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断は、各証券会社・金融庁などの公式情報をご確認のうえ、ご自身の責任で行ってください。

