投資信託はいくらから始められるのか気になっている方へ。結論から言うと、現在は100円から始められます。「まとまったお金がないと投資は無理」と思われがちですが、ネット証券各社のサービス拡充により、ワンコイン以下のごく少額からでも投資信託を購入できる時代になりました。この記事では、投資信託の最低金額の仕組み、証券会社ごとの違い、少額から始めるメリットと注意点まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。
なお、本記事は2026年5月時点の情報をもとに作成しています。投資は元本が保証されるものではなく、最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。
投資信託はいくらから始められる?最低金額の基本
かつて投資信託は「1万円から」というイメージが一般的でした。しかし現在は、ネット証券を中心に大幅な引き下げが進み、ごく少額からスタートできるようになっています。まずは基本となる最低金額の考え方を押さえましょう。
多くのネット証券は100円から購入できる
2018年以降、SBI証券・楽天証券・マネックス証券・松井証券などの主要ネット証券は、投資信託の最低買付金額を100円に引き下げました。それ以前はSBI証券で1,000円、楽天証券で500円が下限でしたが、現在はどちらも100円から購入・積立が可能です。
つまり、毎月のランチ1回分にも満たない金額から、世界中の株式や債券に分散投資できるということです。「最初は少額で試してみたい」という初心者にとって、心理的なハードルは大きく下がっています。
証券会社によって最低金額は異なる
すべての金融機関が100円から始められるわけではありません。とくに銀行の窓口で購入する場合は、最低1万円や1,000円からというケースが残っています。最低金額を重視するなら、ネット証券を選ぶのが基本です。
| 金融機関の種類 | 最低買付金額の目安 |
|---|---|
| 主要ネット証券(SBI・楽天など) | 100円〜 |
| 店舗型証券会社 | 1,000円〜1万円程度 |
| 銀行窓口 | 1,000円〜1万円程度 |
積立と一括(スポット)で金額の考え方が変わる
投資信託の買い方には、毎月コツコツ購入する「積立(投信積立)」と、好きなタイミングでまとめて買う「スポット購入」の2種類があります。どちらも100円から設定できる証券会社が多く、積立の場合は「毎月100円ずつ自動で買い付ける」といった設定が可能です。初心者は、値動きに一喜一憂しにくい積立から始めるのがおすすめです。
主要ネット証券の最低金額・積立単位を比較
同じ「100円から」でも、積立できる金額の刻み(単位)やポイント還元には差があります。ここでは代表的なネット証券を比較します。
SBI証券・楽天証券・マネックス証券の比較
| 証券会社 | 最低金額 | 積立金額の単位 | クレカ積立 |
|---|---|---|---|
| SBI証券 | 100円 | 1円単位 | 三井住友カード等 |
| 楽天証券 | 100円 | 1円単位 | 楽天カード |
| マネックス証券 | 100円 | 1円単位 | dカード・マネックスカード |
| 松井証券 | 100円 | 1円単位 | 対応あり |
いずれも100円・1円単位での積立に対応しており、最低金額という観点では大きな差はありません。選ぶ際は、後述するポイント還元や取扱本数、使い勝手で比較するとよいでしょう。SBI証券や楽天証券は取扱本数が多く、初心者にも人気があります。
クレカ積立を使えば少額でもポイントが貯まる
最低金額が同じでも、クレジットカードで積立(クレカ積立)を行えば、積立額に応じてポイントが還元されます。たとえば月100円の積立でも、対象カードを使えばポイントが付与されるため、実質的なコストを抑えられます。
なお、新NISAのつみたて投資枠でクレカ積立を利用する場合、クレカ積立の上限は月10万円(2025年7月時点)に設定されています。少額から始めて、慣れてきたら積立額を増やしていくという使い方が可能です。マネックス証券や松井証券もクレカ積立に対応しています。
取扱本数とサポート体制もチェック
最低金額だけでなく、投資信託の取扱本数も重要です。本数が多いほど、低コストの優良ファンドを選びやすくなります。また、初めての口座開設や設定に不安がある場合は、サポート体制が充実している証券会社を選ぶと安心です。電話サポートに定評のある松井証券のような証券会社も選択肢になります。
少額(100円)から投資信託を始めるメリット
「100円ぽっちで意味があるの?」と感じる方もいるかもしれません。しかし、少額から始めることには、金額以上の価値があります。
投資の値動きを体験しながら学べる
最大のメリットは、実際にお金を入れて値動きを体験できることです。本やネットで投資を学ぶだけでは、価格が上下したときの自分の感情はわかりません。100円でも実際に投資すれば、「下落しても慌てない」「長期で持ち続ける」といった投資の基本姿勢を、リスクを抑えながら身につけられます。
少額でも分散投資ができる
投資信託は、1つの商品を買うだけで数十〜数千の銘柄に自動的に分散投資される仕組みです。たとえば全世界株式型のインデックスファンドを100円買えば、世界中の企業にまとめて投資したのと同じ効果が得られます。個別株のように1銘柄に集中するリスクを避けられるのは、初心者にとって大きな安心材料です。
家計に無理なく続けられる
投資で最も大切なのは「続けること」です。最初から月3万円・5万円と無理をすると、生活が苦しくなって途中でやめてしまうこともあります。100円や1,000円といった無理のない金額から始めれば、習慣として定着しやすく、長期的な資産形成につながります。慣れてきたら少しずつ増額していけば十分です。
少額投資の注意点とデメリット
少額投資には多くのメリットがありますが、過度な期待は禁物です。デメリットや注意点も正しく理解しておきましょう。
少額では資産の増えるスピードは緩やか
当然ながら、投資元本が少なければ得られるリターンの金額も小さくなります。仮に年利5%で運用できたとしても、100円に対する1年間の利益は理論上わずか数円程度です。少額投資はあくまで「練習」や「習慣づくり」と位置づけ、まとまった資産形成を目指すなら徐々に積立額を増やしていく必要があります。なお、ここで挙げた利回りは一例であり、将来のリターンを保証するものではありません。
手数料(信託報酬)の影響を理解する
投資信託には、保有している間ずっとかかる信託報酬というコストがあります。少額でも長期で保有するなら、信託報酬の低いファンドを選ぶことが重要です。とくにインデックスファンドの中には信託報酬が年0.1%前後の低コスト商品もあり、こうした商品を選ぶことで手元に残るリターンを高められます。
| コストの種類 | 内容 |
|---|---|
| 購入時手数料 | 購入時にかかる。ネット証券の多くは無料(ノーロード) |
| 信託報酬 | 保有中に毎日かかる。低いほど有利 |
| 信託財産留保額 | 解約時にかかる場合がある(かからない商品も多い) |
元本割れのリスクは金額に関わらず存在する
投資信託は預金とは異なり、元本が保証されていません。少額であっても、市場の状況によっては購入時より価値が下がる「元本割れ」が起こり得ます。これは100円でも100万円でも同じです。投資は余裕資金で行い、生活費や近い将来に使う予定のあるお金は投資に回さないようにしましょう。
少額から始めるなら新NISAの活用がおすすめ
少額で投資信託を始めるなら、税制優遇のある新NISAを活用するのが基本です。少額投資との相性も良く、初心者がまず検討したい制度です。
新NISAなら運用益が非課税になる
通常、投資で得た利益には約20%(20.315%)の税金がかかります。しかし新NISAの口座内で得た運用益や分配金は非課税になります。少額であっても、税金がかからないメリットを最初から享受できるのは大きな利点です。
つみたて投資枠は年間120万円まで
新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つがあります。少額の積立に向いているのはつみたて投資枠で、年間120万円(月10万円)まで利用できます。100円から始めて、家計に余裕が出たら積立額を増やしていく、という柔軟な運用が可能です。
| 項目 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
|---|---|---|
| 年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
| 非課税保有限度額 | 合計1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで) | |
| 対象商品 | 長期・積立に適した投資信託 | 投資信託・株式など |
無理なく始めて制度を最大限に活用する
新NISAの非課税枠は大きいですが、必ずしも満額を使い切る必要はありません。まずは毎月数千円〜1万円程度から無理なく始め、収入や生活の変化に合わせて調整するのが現実的です。投資方針に迷ったときは、ファイナンシャルプランナー相談のような専門家のサービスを活用するのも一つの方法です。
投資信託を少額から始める具体的な手順
最後に、実際に少額から投資信託を始めるための手順を整理します。難しく考えず、ステップごとに進めましょう。
ステップ1:ネット証券で口座を開設する
まずは最低金額が100円のネット証券で口座を開設します。スマホだけで完結できる証券会社が多く、最短で申し込み当日〜数日で口座が開設できます。新NISAを使う場合は、口座開設時にNISA口座も一緒に申し込んでおくとスムーズです。
ステップ2:低コストのインデックスファンドを選ぶ
初心者には、信託報酬の低い全世界株式型やS&P500型のインデックスファンドがおすすめです。1本で広く分散され、コストも低いため、最初の1本として選ばれることが多い商品です。複数の商品で迷う場合も、まずは1本に絞って始めれば十分です。
ステップ3:積立設定をして長期で続ける
商品を決めたら、毎月の積立金額(たとえば月1,000円など無理のない額)を設定します。あとは自動で買い付けが行われるため、基本的にほったらかしでOKです。短期的な値動きに惑わされず、長期・積立・分散の3原則を守って続けることが、資産形成の成功につながります。
まとめ:投資信託は100円から無理なく始められる
投資信託は、現在では100円から始められる身近な投資手段です。SBI証券・楽天証券・マネックス証券・松井証券などの主要ネット証券なら、1円単位の少額積立やクレカ積立にも対応しています。
少額投資には「値動きを体験しながら学べる」「無理なく続けられる」といった大きなメリットがある一方で、「資産の増えるスピードは緩やか」「元本割れのリスクは金額に関わらず存在する」という点も理解しておく必要があります。
まずは新NISAのつみたて投資枠を活用し、家計に無理のない金額から長期・積立・分散を意識してスタートしてみましょう。投資は元本が保証されるものではなく、最終的な判断はご自身の責任で行うことが大切です。少額からの一歩が、将来の資産形成の大きな土台になります。

