「信託報酬が安い投資信託はどれ?」と調べているあなたは、すでに投資で成功するうえで最も大切なポイントの一つに気づいています。信託報酬(運用コスト)は、リターンと違って“ほぼ確実に”将来の資産額を左右する数少ない要素だからです。本記事では2026年6月時点の公表データをもとに、NISAで買える低コストの投資信託を信託報酬の安い順に整理し、独自の「コスト負担シミュレーション」で“0.1%の差が20年でいくらになるか”まで具体的な数字で検証します。
なお本記事はランキング形式をとりますが、特定の銘柄を「必ず儲かる」「絶対に増える」とおすすめするものではありません。投資信託には元本割れのリスクがあり、最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。数値は各運用会社・金融庁の公表資料を出典として明記しています。
信託報酬が安い投資信託ランキング2026|まず結論
結論からいうと、2026年6月時点でNISA(つみたて投資枠)でも買える主要インデックスファンドのうち、信託報酬(税込・年率)が最も低い水準にあるのは、全世界株式・米国株式(S&P500)連動のローコストファンド群です。代表的な銘柄の公表値を、投資対象別に低い順で並べると以下のようになります。
投資対象別・信託報酬の最安水準(2026年6月時点)
下表は各運用会社が公表している信託報酬(税込・年率)の代表値です。隠れコスト(売買委託手数料など)を含む「実質コスト」は決算後にしか確定しないため、ここでは比較しやすい“表面上の信託報酬”で並べています。
| 投資対象 | 代表的なファンド | 信託報酬(税込・年率) |
|---|---|---|
| 全世界株式(オルカン) | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 0.05775% |
| 米国株式(S&P500) | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 0.0968% |
| 先進国株式 | eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 0.09889% |
| 国内株式(TOPIX) | eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) | 0.143% |
※信託報酬はたびたび引き下げ競争が起きるため、購入前に必ず運用会社の公式ページで最新値を確認してください。オルカンの0.05775%は数度の引き下げを経た2026年時点の水準です(出典:三菱UFJアセットマネジメント公式)。
「信託報酬の安さ」だけで選んではいけない理由
ランキング上位=即「買うべき」ではありません。同じS&P500連動でも、信託報酬の差はわずか0.01%前後にまで縮まっており、ここまで来ると純資産総額(規模)の大きさや、運用の安定性、隠れコストを含めた実質コストのほうが重要になるケースがあります。コンマ数%の差を追いかけて頻繁に乗り換えると、かえって手間や課税のデメリットが生じることもあります。コストは“足切り基準”として使い、最後は規模や運用実績も合わせて判断するのが現実的です。
そもそも信託報酬とは?安い投資信託が有利な理由
信託報酬とは、投資信託を保有している間ずっと、運用・管理の対価として毎日少しずつ差し引かれるコストです。年率で表示され、保有額に対して日割りで自動的に控除されます。購入時手数料と違い「持っているだけでかかり続ける」のが特徴で、長期投資ほど影響が大きくなります。
信託報酬は3者で分け合われている
信託報酬は、運用会社・販売会社(証券会社や銀行)・信託銀行の3者で分配されます。つまり同じファンドでも、コストの内訳は運用の手間や仕組みによって決まっており、投資家が直接コントロールできるのは「どのファンドを選ぶか」だけです。だからこそ、最初の銘柄選びでコストを抑えることが、長期リターンを守る最大のポイントになります。信託報酬の基本的な考え方は、当サイトの投資信託の手数料を徹底比較した記事でも詳しく解説しています。
インデックスファンドが低コストな仕組み
信託報酬が0.1%を切るような超低コストファンドは、ほぼすべてが「インデックスファンド」です。日経平均やS&P500といった指数に連動させるだけなので、銘柄を厳選するアクティブファンド(信託報酬1%超も珍しくない)に比べて運用の手間が少なく、コストを抑えられます。投資初心者がまず低コストインデックスファンドから始めるべきと言われるのは、この再現性とコストの低さが理由です。インデックス投資の全体像はインデックス投資の始め方ガイドも参考にしてください。
【独自シミュレーション】信託報酬0.1%の差は20年でいくらになる?
「0.1%くらい誤差では?」と感じる方も多いはずです。そこで、信託報酬の差が将来資産にどれだけ効いてくるかを、当サイト独自に試算しました。条件は毎月3万円を20年間積み立て、運用リターンは信託報酬控除前で年率5%と仮定。信託報酬が0.1%のファンドAと、0.5%のファンドBで比較します。
試算の前提と結果
運用リターンから信託報酬を差し引いた「手取り年率」で複利計算しています(A:4.9%、B:4.5%)。あくまで一定リターンを仮定した単純化モデルであり、実際の運用結果を保証するものではありません。
| 項目 | ファンドA(信託報酬0.1%) | ファンドB(信託報酬0.5%) |
|---|---|---|
| 毎月の積立額 | 3万円 | 3万円 |
| 積立期間 | 20年 | 20年 |
| 元本合計 | 720万円 | 720万円 |
| 手取り想定年率 | 4.9% | 4.5% |
| 20年後の評価額(概算) | 約1,219万円 | 約1,164万円 |
| 差額 | 約55万円 | |
たった0.4%の信託報酬の差が、20年で約55万円もの差に膨らみました。これは新車1台分にも相当する金額です。リターンは誰にも約束できませんが、コストは契約時にほぼ確定します。だからこそ「コントロールできるコストを下げる」ことが、初心者が最初にできる最も確実なリスク管理なのです。
注意:このシミュレーションの限界
上記は年率一定を仮定した計算であり、実際の株式市場は上下を繰り返し、元本割れする年もあります。下落局面では信託報酬の差以上に値動きの影響が大きくなります。あくまで「コストの長期的な重み」を体感するための目安としてご覧ください。より具体的な積立額別の試算は月3万円の積立投資シミュレーションでも公開しています。
NISAで信託報酬の安い投資信託を買う際の注意点
低コストファンドはNISAのつみたて投資枠・成長投資枠の両方で購入できるものが多くあります。ただし、いくつか押さえておきたい注意点があります。
「実質コスト」は決算後に確認する
信託報酬は事前に公表されますが、売買委託手数料や保管費用などの「隠れコスト」を含めた実質コストは、運用報告書(決算後に発行)でしか確定値がわかりません。新しく設定されたばかりのファンドは、信託報酬が最安でも実質コストが想定より高くなることがあります。設定から1年以上経過し、運用報告書が出ているファンドのほうが、実質コストを見極めやすいといえます。
証券会社のポイント還元も“実質コスト”に効く
信託報酬そのものに加え、保有額に応じてポイントが還元される証券会社を選べば、実質的なコストをさらに下げられます。クレカ積立のポイント還元や投信保有ポイントは証券会社ごとに差があるため、銘柄選びとあわせて口座選びも重要です。具体的な還元率の比較は、SBI証券と楽天証券の徹底比較記事を参考にしてください。低コストで投資初心者向けの操作画面を重視するなら、松井証券のように手数料体系がシンプルなネット証券も選択肢になります。
NISAでは「コスト×非課税」の相乗効果が大きい
NISA口座では運用益が非課税になるため、本来なら利益に約20%かかる税金がゼロになります。低コストファンドでコストを抑えつつ、非課税メリットを最大化することで、課税口座よりも効率的に資産を育てられます。逆に言えば、信託報酬の高いファンドをNISAで持つのは、せっかくの非課税枠を割高なコストで埋めてしまうことになりかねません。
信託報酬が安い投資信託に関するよくある質問
信託報酬は途中で変わることがありますか?
あります。近年は運用会社同士の引き下げ競争により、信託報酬が事後的に下がるケースが多く見られます。eMAXIS Slimシリーズのように「業界最低水準を目指し続ける」と明言しているファンドは、他社が下げると追随して引き下げる傾向があります。ただし将来の引き下げは保証されたものではありません。
信託報酬が最安なら無条件で選んでよいですか?
いいえ。信託報酬の差が0.01%前後しかない場合、純資産総額の大きさ(規模が大きいほど安定運用しやすい)や、実質コスト、運用の追随精度(指数とのズレ)も合わせて判断するのが安全です。コストはあくまで“足切り基準”として活用するのがおすすめです。
新NISAでは信託報酬に上限がありますか?
つみたて投資枠の対象商品は、金融庁が長期・積立・分散に適した商品として、信託報酬の上限などの一定基準を満たすものに限定しています。そのため、つみたて投資枠で買える時点で、ある程度の低コスト水準はクリアしていると考えてよいでしょう。最新の対象商品や基準は金融庁のNISA特設ページで確認できます。
まとめ|信託報酬は“確実に効く”最初のリスク管理
2026年6月時点では、全世界株式・米国株式連動の低コストインデックスファンドが、信託報酬0.1%前後という超低水準で揃っています。本記事の独自シミュレーションが示したように、0.4%の信託報酬の差は20年で約55万円もの差になり得ます。
リターンは市場次第でコントロールできませんが、信託報酬は最初の銘柄選びでほぼ確定します。「安いファンドを足切り基準で絞り、規模・実質コスト・証券会社のポイント還元も合わせて選ぶ」——これが初心者が無理なく実践できる、最も確実なコスト最適化の手順です。投資信託には元本割れのリスクがあり、本記事はあくまで公表データに基づく情報提供です。最終的な投資判断は、各運用会社・金融庁の公式情報を確認のうえ、ご自身の責任で行ってください。お金まわりの不安が大きい場合は、ファイナンシャルプランナーへの無料相談を活用するのも一つの方法です。

